2016/10衆議院東京 10 区補欠選挙の総括文書類


告示3日前の10月8日に、政策協定書と市民と野党の共同候補を発表

2016年10月の衆院東京10区補選は負けましたが、衆議院選挙を今後「市民と野党の共闘」でたたかう上で、貴重な教訓を残しました。

「TeNネットワーク2016」は総括文書類を出して役目を終え、解散しますので、このHPに文書類を掲載させていただきます。なお活動の途中経過は http://tokyo-chiki-net.jimdo.com/ を参照ください。

 

 【目次】

  1. 衆議院東京10区補欠選挙の総括(A4で1枚)
  2. 衆議院東京10区補欠選挙のレポート(A4で6枚)
  3. TeN16経過報告一覧表
  4. 政策協定書



衆議院東京10区補欠選挙の総括


 

衆議院東京10区補欠選挙の取り組みについて「TeNネットワーク2016」の総括

 20161210

  

 2016年10月23日投票でおこなわれた衆議院東京10区補欠選挙で、私たち市民は「市民と野党の統一候補」の実現をめざして「TeNネットワーク2016」(略称 TeN16) を結成し、市民と野党の協議によって野党統一候補となった鈴木ようすけ氏(民進党公認)を支持し、当選をめざして全力で活動しました。結果、自民党公認候補に敗北したことは大変残念ですが、市民運動として大きな教訓を得ました。

  

 政党と市民をつなぐブリッジ型の「政策協定」を結び、「市民と野党の共同候補」ができた

 7月の参院選挙では、安倍政権の暴走をとめようと、32ある一人区すべてで野党統一候補が実現し、そのうち11選挙区で勝利をするという画期的な政治状況が生まれました。10区補欠選挙でも野党統一候補を実現しようと、その大前提となる「政策協定」をつくるため、候補者を擁立していた民進党、共産党とくりかえし話し合いをもちました。「政策協定」のない共闘はありえないと考えたからです。民進党の代表選挙をはさむという大変な時期でしたが、野党の合意事項をもとに私たち市民の願いをくわえ、10項目の「政策協定」をまとめあげました。この「政策協定」を、TeN16が、民進党、共産党候補それぞれと結び、ブリッジ型の「野党統一候補」を実現、TeN16は鈴木ようすけ氏を「市民と野党の共同候補」と位置づけました。このことは東京の国政選挙において初めてであり、画期的なことでした。関係者の尽力に感謝しています。しかし、統一候補の実現と政策協定の締結が告示直前だったことから、市民独自の運動が限られ、また、候補者の宣伝物はほぼ作成済みであったため、選挙戦のなかで「政策協定」が反映されることはほとんどありませんでした。

 

  野党による候補者一本化はできたが、選挙協力は実現しなかった

   10月5日、四野党幹事長・書記局長会談にて鈴木候補に一本化が決まりました。この時、民進党選対から野党間の選挙協力体制をとるという確約がとれないまま、TeN16としての態度を決めることは大変悩ましい事態でしたが、「市民と野党の共闘」の大義のために苦渋の決断として鈴木候補の支持を決めました。その後、民進党にたいして、他党や団体への協力要請をするようもとめ続けましたが、結局民進党選対は、ほかの野党に推薦も支持ももとめないどころか、他党からの推薦の打診も拒否し、政党の中央段階でなされた「できる限りの選挙協力をする」という約束は事実上反故にされました。

 

 それが象徴的にあらわれたのが、最終盤の池袋西口野党党首クラスの合同街頭演説会です。各党の弁士の話は大変素晴らしいものでしたが、野党共闘の図のなかに鈴木候補を置かないという民進党選対の判断によって、候補者自身が出席しないという稀にみる奇妙な光景がつくられてしまいました。参加者はもとより、SNSで中継されていたこともあり全国から抗議と非難が噴出しました。このことについては民進党にたいして抗議文を送りましたが、選挙後に、選対本部事務局長より、口頭で「民進党内部のガバナンスに問題があった」と謝罪がなされました。野田幹事長のその後の野党共闘に前向きな発言は、さまざまな力が働いての結果と思われますが、私たち市民の行動もまた一定の影響を与えているように思えます。

 

 市民と野党の協力関係ができ、また、東京で新しい市民連絡組織の結成につながった

  一方で、立候補を取り下げた共産党、政治団体として唯一推薦関係を結んだ生活者ネットワークをはじめ、野党会派のみなさんはそれぞれに選挙勝利をめざして活動し、超党派の協力関係、そして市民との協力関係を深めることができました。さらに、補欠選挙ということもあり、10区以外の市民も旺盛に選挙活動に参加してくれました。こうしたなか、選挙前には、現職相手候補の知名度、小池都知事の人気、マスコミの異常な報道などにより、ダブルスコア、トリプルスコアでの敗北といわれていたものを、4対6にまでもっていくことができたことは貴重な成果でした。しかし投票率が34%という史上最低であったことも、この選挙自体が有権者にとって魅力あるものとなっていなかったことの証左であり、大きな課題を残しました。

 

選挙後、補選で生まれた市民の横の結びつきを生かして、新たに「市民と野党をつなぐ会@東京」が発足しました。市民の連携が広がったことは、野党統一候補の実現、市民と野党の共闘を進める力になることと確信します。次期衆議院選挙において、真に市民と野党の共同が力強く広がることを願ってやみません。

 以上

 


衆議院東京 10 区補欠選挙のレポート


----- あきらめない市民がつないだ野党共闘 の経過と成果と課題  -----

2016/12/25 TeNネットワーク2016共同代表  森田彦一、吉田雅明、鈴木国夫

 

2016年10月、衆議院東京10区補選がたたかわれ、TeNネットワーク2016(略称TeN16)は下記要旨の総括文書をまとめた。本レポートは、この補選の経過と成果と課題を解説的にまとめる。(別紙文書:総括文書政策協定書経過報告一覧表)。なお、TeN16はこの文書の公表をもって解散する。

 

TeNネットワーク2016」の総括(20161210日)の要旨項目

1. 政党と市民をつなぐブリッジ型の「政策協定」を結び、「市民と野党の共同候補」ができた

2. 野党による候補者一本化はできたが、選挙協力は実現しなかった

3. 市民と野党の協力関係ができ、また、東京で新しい市民連絡組織の結成につながった

 

1.   どういう歴史的背景の下での選挙であったか

(1)  市民運動の高まりに押されて野党に大きな変化:

 2015年の安保法制をめぐるたたかいは、立憲勢力側に歴史的変化をもたらした。1980年の社公合意以来35年間続いてきた「共産党を除く」悪習が打ち破られ、野党の共同行動が当たり前となった。安保法制通過後、市民は「野党は共闘」の合い言葉で国政での野党の選挙協力を求めた。

 

(2) そして戦後初めて、野党統一候補で参議院選挙がたたかわれた:

   2016年7月の参議院選挙では、市民と野党は一人区の全てで野党候補を一本化し、前回2議席を11議席獲得とする成果を見せた。もし衆議院選においても、同様な野党共闘が成立すれば単純計算でも60議席前後が逆転する。2017年に予想される解散・総選挙の前哨戦として、東京10区、福岡6区での共闘とその成果が注目された。

 

(3) 民進党との共闘関係の発展が焦点:

 与党側は野党共闘の分断を図るべく、「民共共闘は野合」と攻撃を行った。一方、立憲勢力側は市民と野党の統一候補でたたかい、勝利することを目指して活動した。共闘に関しては、民進党が政策協定を結び、他党に協力を要請する正常な共闘関係が作れるかどうかが焦点であった。


2.  統一候補者決定までの道のり

告示前の活動は下記の4つの段階に分けられる。

 

(1) 【第一ステップ】 選挙に関わる市民団体を確立する段階

 従来からの練馬の市民運動「練馬・みんなで選挙」をベースとして、豊島区と練馬区の市民で、「TeNネットワーク2016(略称TeN16)」を7/17に立ち上げた。

(2) 【第二ステップ】 政党と相互理解を深める段階

1) 政党に「野党共闘」を要請:

 9/29、30に共同代表が共産党(中央委員会と都委員会)、民進党(本部と都連)に「野党共闘」の要請に行った。社民党、生活の党、東京生活者ネットにも申し入れた。

2) 学者・文化人アピールの記者会見:

 8/31佐藤学氏らの学者・文化人26名の連名で「東京10区補欠選挙でぜひ野党共闘を」というアピールを出し記者会見を行った。

3) 候補者に聴いてもらう会:

 9/4「私たちの声を届ける区民会議」雑司ヶ谷地域文化創造館に140名の市民が詰めかけ、民進党の鈴木ようすけ候補と共産党の岸良信候補に市民の熱い思いを聞いてもらった。市民と候補者の初めての本格的な接触の場となった。

 

4) 選対本部長との面談による方向性の確認:

 9/6に当時の民進党10区選対本部長の長妻昭氏と面談した。長妻氏は「市民が動いて頂けることは大変有難い」と対応された。それまで現場で選対事務局長浅野氏とは接触していたが、選対本部長と面談することで共闘への道筋がお互いに認識できた。長妻氏からは、政策協定は、政党間直接ではなく、市民団体を介してのブリッジ式として進める方式が提案され了解した。但しTeN16としては、民進党が他党に協力を依頼しない形となった場合は、支援できないと述べた。その後、この点について長妻氏から再度確認の電話があったので、他党に協力を依頼する共闘でなければ支援できないと市民側の考え方を繰り返し表明した。9/7には共産党豊島地区委員会を訪ね、市民との共闘を確認した。

 

(3) 【第三ステップ】 政策協定を作る段階

1) 政策協定原案の作成: 選対本部長と面談翌日の9/7、TeN16の会議で政策協定原案を討議、作成した。これまでの集会で出された意見をベースに原案をまとめることで、いよいよ自分たちの統一候補を作るという意識と緊張感が高まった。

2) 候補者との政策協定折衝: 翌9/8、両候補にそれぞれ面談した。細かな文言を除けば問題ないとの反応を得た。

 

3) 「全都10区支援の会」発足集会を開催: 他区から応援する体制を作るべく、9/13衆議院議員会館にて約100名で発足集会が開催された。両候補者、高田健氏、初鹿明博氏、宮本徹氏らが挨拶した。

4) 民進党党首選があり政策協定が遅延: 9/14浅野民進党選対事務局長と面談。8項目については候補者のサインをもらったが、憲法問題等の項目は新執行部の目を通したいとのことで延期となった。協定の案文問題だけならば、現執行部の承認という方法もあったかもしれないが、候補者調整そのものは政党本部間協議で決める事項なので、民進党の新幹事長が決まるまで空白期間が出来てしまった。

5) 候補者未定段階でもやった駅頭宣伝:

 手をこまねいていては宣伝時間が無くなってしまうので、「市民と野党の共同候補で勝利を」という独自チラシによる駅頭宣伝活動を、全都の支援も受けて9/19、9/30、10/2、10/5と行った。

(4) 【第四ステップ】 候補者一本化の段階

1) 中央で民進党候補者に一本化が決定: 新しく民進党の代表と幹事長が決まるまでの空白日数は大変痛手であったが、10/5昼、4野党幹事長・書記局長会議にて東京10区、福岡6区とも、民進党候補に一本化が決まった。後は、両候補者がTeN16と政策協定を正式に結び、記者発表することである。なお民進党の新執行部誕生後に、10区選対本部長は長妻昭氏から松原仁氏に替わった。

2) もし政策協定が結べなかった場合どうするか: 候補者は中央で決まったにもかかわらず、選対から政策協定の回答はない。10/5夜、TeN16の会議を開いた。もし告示日までに政策協定を結べな い場合は、TeN16としては応援しないとした。

3) もし民進党が他党に協力を要請しなかった場合どうするか: TeN16との間で政策協定が結べたとしても、民進党が他党に協力を要請しなかった場合、TeN16としてどうするかを議論した。不満は山ほどあるが、もしここで市民が民進党を見限れば、野党共闘の希望も無くなってしまい、改憲勢力を高笑いさせることになるので、粘り強く働き掛け続けるしかないという苦渋の選択となった。

 

4) なんとか政策協定合意に持ち込む: TeN16としては、諦めないで政策協定を結ぶべく、共闘に前向きな民進党議員などのルートから働き掛けを行った。その効果もあり10/5夜の会議後、選対事務局長から協定を結ぶと連絡があった。翌10/6午前、共同代表ら4名で打ち合わせに出向いた。すると浅野事務局長から、新たに民進党本部と都連から着任した二人の選対常駐者が紹介された。両氏はこの政策協定案を見るのが初めてのようで議論が始まりかけた。TeN16としては「(冗談ではない)。我々はひと月前から候補者と打ち合わせを詰めてきた。党首選も待った。告示日も迫っている。本日夕刻までに修正案文を出して欲しい」と強く迫った。夕刻出てきた案文に対して、鵜呑みではなく多少の遣り取りをして協定書は確定した。沖縄、TPP、南スーダンの文言は消えたが、それが10区選対との一致点であればやむなしとした。TeN16からは、他党に選挙協力を求めるよう再度申し入れたが、10区選対からは、他党への推薦要請はしないとの表明があった。

5) 告示の3日前に「市民と野党の共同候補発表」:  

告示3日前の10/8、TeN16が主催して、政策協定書と候補者一本化を発表する記者会見を開催した。共産党の岸良信氏からは、立候補予定のとり止めと民進党鈴木氏への支援が表明され、鈴木氏からは岸氏への信頼と感謝の言葉が述べられた。


3.  民進党はなぜ他党に協力要請をしなかったのか

(1) 民進党10区選対は他党に協力を要請しなかった:

 共産党の譲歩により候補者は一本化したが、民進党10区選対は他党に協力を要請しないと公言した。このため、他党の区議などは党本部から指示がないので表だって動けないという事態となった。大義のために候補者を降ろして協力しようという共産党に対しても失礼な態度である。10区選対は社民党からの推薦打診も断った。ただし、地域政党である東京生活者ネットワークには推薦を依頼し、生活者ネットは推薦を決定した。

(2) 「野党共闘の図」を避けたいとする理由: 野党共闘を表に出さない理由について、10区選対は「小池都知事vs野党共闘の形では勝てない。若狭候補vsようすけ候補の構図にするために、野党共闘は表に出さない」と説明した。しかし、これは10/5の4野党合意とも違っている。

(3) 民進党の党内事情: 後で分かったことであるが、新執行部は今回の補選に関して「他党の推薦は受けない」と連合会長と約束していた。4野党幹事長・書記局長会議(10/5)で一本化合意する前日の10/4に、下記の約束していたことが報道されている。

 【10/24日付中国新聞=共同】2補選告示を控えた10月4日、蓮舫代表と野田佳彦幹事長は、 連合の神津里李生会長、逢見直人事務局長との4者会談で野党共闘の原則を確認した。 ①共産の候補取り下げ②政策協定は結ばない③推薦は受けない④表立った場所で共産と選挙活動はしない ―といずれも「共産隠し」に徹する内容。連合に自衛隊解消を党綱領に掲げる共産党への拒否感が強いためだ。東京10区補選に出た民進党・鈴木庸介氏の陣営は、連合東京から「共産党と組むなら支援しない」と通告され、距離を取った。  (引用以上)https://pbs.twimg.com/media/CvfI1KxUMAILKs2.jpg:large

(4) 新潟知事選候補者問題での失態で悪循環に陥った党内事情:

 この連合会長との約束に至る前段として、新潟知事選挙候補者を決めるにあたり民進党の失態があった。知事選挙において、民進党新潟県連は消極的姿勢であり、9/13に候補者を擁立しないと決めた。翌9/14に連合新潟は、民進党が候補者を擁立しないならばと、要請のあった前長岡市長森氏の支持を決めた。ところがその後に米山氏が立候補したため、連合新潟は民進党新潟県連に梯子を外されたとして、市民の怒りとは別の意味で怒るという事件となった。その後、連合傘下でも米山候補支援に貢献した労組も少なくなかったが、世間一般には、連合が実像以上に悪者扱いされる事態となった。また、民進党が参加しない「市民の会」が中心となった野党統一候補が勝利したために、民進党の執行部は、連合からも市民からも非難されることとなった。http://iwj.co.jp/wj/open/archives/344710#idx-1

 


4.   候補者決定後。告示日までの2日間の宣伝活動

(1) 告示日までの2日間で、5万枚の独自チラシのポスティング作戦:

 豊島区内4万枚、練馬区内1万枚をポスティングしきった。時間の無い中、機敏にデザインを仕上げてくれた印刷関係の方々(TeN16のメンバー)に深く感謝したい。

 

(2) 「全都10区支援の会」からの応援:

池袋東口五差路で宣伝カーも用いた街頭宣伝を行った。市民が中心となって政策を次々訴え、鈴木ようすけ候補、共産党岸良信氏、高田健氏らがマイクを持った。その後、ルノアールの貸会議室(写真)を拠点として、全都から駆け付けてくれた約70名の支援者に、ポスティング地図とチラシ500枚セットの袋を渡した。



5. 告示日以降、どうやって関わり、統一候補者を押し上げるか

(1)市民はどう関わるか:

 告示日10/11後、一般の人には「民進党の選挙」しか見えない状態となってしまった。そこで誰でもが来られる集会としてTeN16主催の集会を、10/17練馬駅直近の会場で開催した。詰めかけた350名を前に山口二郎氏(市民連合)、笠井亮氏(共産党衆院議員)、伊波洋一氏(「沖縄の風」参院議員)らが熱弁を振るった。小沢一郎氏、福島みずほ氏からはメッセージが寄せられた。集会としては成功したが、一方民進党国会議員の参加は無く、選対事務局長の浅野都議自身が登壇したのみであった。また他党・会派の都議、区議は多数参加したが民進党の区議は不参加であった(選挙区外の板橋区議は参加)。選対として「野党共闘の図を避けたい」との方針があり、この集会でも候補者は来場せず、集会終了直後に宣伝カーで駅頭演説にやって来るというスタイルで折り合った。他党議員を含め集会参加者はその駅頭演説にみなで繰り出し、大いに盛り上げた。

(2) 他党はどうやって関わるか:  今回はTeN16と各政党とは政策協定をブリッジ型で結んだので、政党はTeN16と共同する形で関わることが出来た。TeN16は各党、各団体へ支援を要請した。10/17の集会において、共産党は集会案内チラシを独自に作り、赤旗新聞に折り込み、集客に努めた。会場入り口に立候補を取り止めた岸氏が立ち、来場者に「よく来てくれました」と挨拶をしていた。こうした姿を見せることで、共産党は支持層に対して今回は共闘事業であることを納得してもらう努力をしていた。また岸氏は毎朝、鈴木ようすけ候補の駅頭宣伝に駆け付け、少し離れた場所に立つことで候補者を励ましていた。また、10区補選にかんする報道をした「東京民報」号外を全戸配布するなどした。

 

(3) 市民団体の独自事務所を設置:  今回は民進党が他党に協力を要請しない形であったので、TeN16としては政党の下請けと誤解されないよう、10区選対事務所とは別の場所に独自事務所を借りた。それほど訪問者は多くなかったが、今回の補選を心配しているが民進党とは縁のない人が気楽に訪問できる場となった。

 

(4) 電話による支持拡大:  10区選対とは全く無関係に、またTeN16とも別に、この補選が大事と考えた人達による様々な電話掛けが行われた。練馬・豊島内だけではなく、目黒・世田谷のような他地区からNTT電話帳で掛けたグループもあった。電話勝手連も活躍した。これらの自発的活動を生み出す上で、「全都10区支援の会」からの情報発信と、現場からのSNS発信が果たした役割は大きい。各政党は、それぞれの事務所、たまり場で電話掛けを行い支持を広げた。 


6.  「民進党10区選対」とどう関わるか

(1) TeN16の10区選対との関わり方

選対事務所は、民進党単独の選対として早くから準備されており、告示後の活動内容に関してほとんど口を挟む余地はなかった。TeN16として、必要に応じて単発の打ち合わせは行ったが、それ以上の選対への関与は無かった。

(2) 市民の10区選対事務所の手伝い

1) 選対事務所内における手伝い: 有志が立ち上げた「全都10区支援の会」などが、MLやSNSで全都に呼びかけ、告示前後から証紙貼等の作業に市民が入るようになった。当初は入り難い雰囲気の選対事務所であったが、市民ボランティアが自主的に受付をする等して、かなり雰囲気を改善した。最終盤ではSNS等の呼びかけに呼応して多くの市民が電話センターを埋めた。なお、比例区がない衆議院選補選であったため、市民が手伝える一般配布用の法定チラシは存在せず、告示後は電話掛けしかない選挙であった。

2) 街頭宣伝での候補者励まし:

 候補者本人の毎日の街頭宣伝予定や様子をSNS等で拡散して、聴衆を増やし候補者の激励を図った。市民の人数が集まった数回はサマになったが、そのほかの民進党単独で運行している街頭演説は寂しいことが多く、「一体民進党は勝つ選挙をやる気があるのか」という批判の声も上がった。街頭宣伝も他党議員が並ぶことは許されず、市民が応援弁士に立つことも重視されなかった。市民が参加を約束した駅頭宣伝に、政党カーが途中で帰ってしまい、連絡もなく、1時間以上も待ちぼうけを食らうという状況もあった。


7.   候補者が来なかった池袋西口の街頭演説会

(1) 候補者が来なかった街頭演説会:

 最終盤10/20に、池袋西口で野党党首クラスの街頭演説会をTeN16主催で行った。各党の弁士の話は大変素晴らしかったが、野党共闘の図のなかに鈴木候補を置かないという10区選対の判断によって、候補者自身が出席しないという稀にみる奇妙な光景となった。2000名の参加者はもとより、SNSで中継されていたこともあり全国から抗議と非難が噴出した。

(2) 企画立案時から当日まで続いた折衝:

 発表されている候補者のスケジュールから参加は可能と判断して企画を立てた10/17以降、TeN16は10区選対に候補者を参加させるよう強く求めた。しかし10区選対は、現場の自分たちを通さずに、頭ごなしに民進党幹部が参加する街頭演説会が決まったことに強く反発した。「上からは何の連絡も来ていない」「それはお宅の党内の問題だから上と話してくれ」と押し問答をしたが、「候補者は参加させない」という一点張りであった。そこで候補者の参加を実現したい市民側としては、従来から付き合いのある何人もの民進党議員に、上層部への働きかけをお願いした。それらは一定の影響は与えたようであったが、結局、候補者を来させるには至らなかった。

 

(3) TeN16は有権者へのお詫びを公表し、さらに民進党に抗議文を出した:

 この街宣に大きな期待をして駆けつけた有権者、SNSを通して応援してくれた人たちにたいし、TeN16は翌日には事情説明とお詫びとその後のとりくみの決意の文書を公表した。さらに民進党への抗議文を民進党10区選対と、党本部へ送付した(選対へは選挙戦での影響を考え、投票日23日に送付)。その後の野田幹事長の発言の変化などを見ると、TeN16が真っ当な抗議文を出したことは、民進党に一定の前向きの影響を与えたと思われる。

 

(4)  民進党の党内事情:

 選挙が全て終わった後日に浅野選対事務局長からこの時の事情を聴くことができた。この補選に関して民進党は表面上は、「野党共闘を推進する」といいながら「野党共闘の図のなかに候補者を置かない」という路線で来た。それに対して10/20の党首クラスの街頭宣伝企画は、180°の路線転換を迫る提案であった。混乱の中、10区選対は党上層部に問い合わせたが回答が無く、情報が無い中、現場サイドで路線転換判断はできないとした。浅野選対事務局長からは「民進党内部のガバナンスに問題があった」と口頭で謝罪がなされた。


8.   選挙結果

 選挙前には、現職相手候補の知名度、小池都知事の人気、マスコミの異常な報道などにより、ダブルスコア、トリプルスコアでの敗北といわれていたが、困難な問題があったとはいえ、市民と野党の共闘により、得票率を4対6にまでもっていくことができたことは貴重な成果であった

 【2016年10月23日 東京10区補選の開票結果 】

若狭勝 75755票(60.3%) (自民党)公明党推薦

鈴木庸介 47141票(37.5%) (民進党)野党統一候補

吉井利光 2824票(2.2%) (幸福実現党)



9. 民進党には苦労した。しかし市民がつなげる野党共闘の道しかない

(1) 民進党内部の葛藤:

 サンデー毎日2016年12月4日号に次のような報道がある。「民進党本部は、総選挙に向けて比例で復活した現職、落選中の支部長などを・・集め、意見を聞いた。・・選挙協力についてどうあるべきかを聞いたところ、驚くことになんと全員が、「共産党と協力すべき」と答えたのだ」。民進党は、もともと左右の様々な考え方の人の集まりである。また連合との長い歴史もあり、組織内候補も抱えている。1年前から発生した共産党との共闘の課題に、まだまだ葛藤が続くと思われる。

(2) 野党共闘の道しかない:

 10区補選では民進党に苦労した。しかし衆議院の改憲勢力340議席に立ち向かうためには、民進党が野党共闘に参加する事は不可欠である。市民が積極的に野党をつなげてたたかうことが求められている。この10区補選を経て、東京では「市民と野党をつなぐ会@東京」が10/31に誕生した。4野党も「市民連合」と11/17に会合を持ち、共通政策を作ることを確認した。これらもこの補選を市民がたたかったことで生まれた成果といえる。(以上)


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(総括)衆議院東京10区補欠選挙の取り組みについて.pdf
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TeN16経過報告一覧表.pdf
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TENネットワーク2016協定書(協定内容のみ).pdf
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TeN16経過報告一覧表


政策協定書

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